ニュース文: FilmFocus 編集部English (AI translation)
Marix が 35mm フィルム「NEO」を発売。レムジェットなしの Kodak Vision3 がベース
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フィルムブランド Marix (マリックス) が、新シリーズ NEO を発表しました。Kodak が 2025 年から切り替えを進めているレムジェット層のない新しい Vision3 (映画用カラーネガフィルム) を 35mm に巻き直した製品です。第 1 弾は 400D (24 枚撮り) と 800T (36 枚撮り) の 2 種類で、すでに同社のオンラインショップで販売されています。
出典: marixfilm.com
レムジェットの代わりに「AHU」
映画用のカラーネガフィルムには、裏面にレムジェット (remjet) と呼ばれる黒いカーボン層が塗られてきました。ハレーションや傷、静電気を防ぐための層で、映画用の ECN-2 現像では最初にこれを洗い落とします。写真用の C-41 現像機にそのまま入れると、はがれたレムジェットが現像液や機械を汚してしまうため、C-41 現像向けにはあらかじめレムジェットを取り除いてから出荷するのが一般的でした。Marix もこれまでは、この除去工程を経て C-41 対応のフィルムとして販売してきました。
Kodak は 2025 年夏、Vision3 の 4 製品 (500T / 200T / 250D / 50D) でレムジェットを廃止し、新しい構造に順次切り替えると 発表しました。代わりに乳剤の下に「AHU (Anti-Halation Undercoat)」と呼ばれる層を設けており、この層は現像処理の中で取り除かれます。AHU は銀を含むゼラチンの層で、写真用フィルムのハレーション防止層と同じく現像の漂白・定着で消えるため、レムジェットのように別の工程ではがしておく必要がありません。Kodak の 資料 (PDF) によると、感度や階調といった特性は従来品と同じです。裏面には現像後も残る帯電防止層が加わり、スキャン時にほこりが付きにくくなるとしています。
NEO はこの AHU 版の Vision3 を使っています。Marix は除去工程がなくなったことで現像処理が安定し、帯電防止の効果でスキャン時のほこりも減るとアピールしています。現像は通常のカラーネガと同じ C-41 (CN-16) を指定しており、DX コードにも対応しています。
ラインナップと価格
NEO の第 1 弾は 400D と 800T です。それぞれ、外箱とパトローネケースが付いた「箱入り」と、パトローネをアルミの遮光真空パックに入れた「エコパック」(ゆうパケットで配送) の 2 形態があります。
| 製品 | 枚数 | NEO | 従来品 |
|---|---|---|---|
| 400D (箱入り) | 24 枚 | 2,300 円 | 2,150 円 |
| 400D (エコパック) | 24 枚 | 2,000 円 | 1,700 円 |
| 800T (箱入り) | 36 枚 | 3,300 円 | 2,650 円 |
| 800T (エコパック) | 36 枚 | 2,900 円 | 2,450 円 |
価格は税込で、10 月 19 日時点の公式ストアの表示です。従来品の 800T (36 枚撮り) は、箱入り・エコパックとも在庫切れになっています。従来品と比べると 150〜650 円高く、とくに 800T の差が大きくなっています。
エコパックはパトローネのみで届く。写真は 800T (出典: marixfilm.com)
800T について Marix は、ISO 500 の Vision3 500T を C-41 で処理すれば ISO 800 で撮影できると説明しています。CineStill 800T と同じ設定です。400D のベースは明記されていませんが、Vision3 のデイライト用は 250D と 50D の 2 種類だけなので、250D を ISO 400 に設定したものとみられます。
一方、後述する Reflx Lab は、同じ 500T の AHU 版を C-41 で ISO 640、250D を ISO 320 として販売しています。同じ原反でも、どの感度で売るかはブランドによって 1/3 段ほど違います。
CineStill のような赤いにじみは出にくい可能性
レムジェットを取り除いたフィルムは、ハレーション防止層がないまま撮影することになります。CineStill 800T で街灯やネオンのまわりに赤いにじみが出るのはこのためです。
AHU の層は撮影時には残っていて、現像で初めて取り除かれます。Kodak は比較テストで AHU がレムジェット以上にハレーションを抑えたとしており、海外では「500T の AHU 版では CineStill 800T のような写りにはならない」とする レビュー も出ています。NEO の 800T も、レムジェットを除去したフィルムとは光源まわりの写り方が変わる可能性があります。Marix はハレーションについて触れていないため、作例が出てから判断したいところです。
Kodak の流通制限から 1 年半
当サイトでは 2025 年 1 月、Kodak が映画用フィルムの販売を制限し始めたことを紹介しました。翌 2 月には Reflx Lab が「500T と 250D の在庫は数か月分」と 説明しており 、リスプールフィルムが店頭から消えるのではないかという懸念もありました。
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500T / 250D の在庫は数ヶ月分。Reflx Lab がリスプール販売の現状を説明「今回のコダックの決定は、独立系フォトグラファーや中小企業がフィルム写真のエコシステムに貢献する革新性と創造性を脅かすものである。」コダック製映画用フィルムのリ…FilmFocus
その Reflx Lab は現在、AHU 版の 5207 (250D)・5219 (500T)・5203 (50D) を使った 320D・640T・50D を販売しています。Marix の NEO も同じ流れの製品です。どちらも仕入れ経路は明らかにしておらず、Kodak の販売方針がいまどのように運用されているかもわかっていません。ただ、映画用フィルムを写真用に巻き直した製品は少なくとも現時点では途絶えておらず、中身が AHU 版へと切り替わりつつあります。
ラボにとっての意味
AHU への切り替えは、ラボにとっても歓迎できる変化と言えそうです。2025 年 2 月の記事でも触れたように、レムジェットが残ったままの ECN-2 フィルムが C-41 の現像機に入ると、現像液をすべて交換しなければならないこともありました。AHU 版を使ったフィルムであれば、この心配はなくなります。
ただし Kodak は在庫の入れ替わりに合わせて段階的に切り替えるとしており、レムジェット付きの Vision3 もまだ流通しています。Reflx Lab の 250D (ECN-2) のように、レムジェットを残したまま売られているリスプールフィルムもあります。「ECN-2」と書かれたフィルムは、これまでどおり C-41 で現像しないよう注意が必要です。
Marix は今後、ほかのフィルムも順次 NEO シリーズに切り替えるとしています。現在販売中の 100D や 320T がいつ切り替わるかは、まだ発表されていません。






